ToyStudioによるウェイトのコツ

ToyStudioでのウェイト調整は
(1)減衰率
(2)影響範囲
(3)ウェイトペイント
と3種類用意されているが、第四の方法としてダミーボーンを使ってウェイトを操作する方法がある。
このダミーボーンを使うことで、その親のボーンによる影響範囲を広げることができ、難しい人体のスキニングもわりと扱いやすくなる。
その手順を解説しよう。

img1 左のようなモデルの場合、このままウェイトを付けると肩の部分に陥没が起きてしまう。
その場合、影響範囲を作って対処するところだが、そうするとその境界でウェイトの切れ目ができ、きれいにはならない。さらにウェイトペイントで修正を試みても、なだらかに動くよう値を調整するのは難しい。


img2 そこで左の画像のようにウェイトを広げたいボーンから子のボーンを作り、スムーズスキニングではチェックをはずす。このようなダミーボーンを足すことでその周辺にも親のウェイトが付くようになり、肩の陥没が解消できる。
これではただボーンを追加するのと同じじゃないかと思うかもしれないが、スキニング後ダミーボーンは削除すればいいので、いくらダミーを追加してもボーン数は変わらない。 また、親の影響範囲が広がるだけだから、1頂点あたりのボーンのリンク数を無駄にすることがないし、正規のボーンを邪魔することもない。

美しさを目指すと、減衰率を部分的に変えたりなど色々と試行錯誤は避けられないが、でもこの方法ならストレスなく、楽しみながらウェイト調整ができるようになると思う。
利点として、現在のToyStudioはウェイトのミラーコピーはできないが、ボーンのミラーコピーはできるので、うまく調整してボーン(&影響範囲)だけでスキニングできればミラーコピーは不要になる。
また、ボーン構造を保存しておけば似たようなモデルへのウェイトの転写が可能になる。

img3 参考として、左の画像は僕が以前ウェイト調整したモデルである。
赤く表示されているのが本来のボーンで、それ以外は全てダミーである。
このモデルでは脇や胸の周辺、股関節に多くのダミーボーンを埋め込んであり、肩と同様に足を開いたときなどにできる付け根の歪みを解消し、ToyStudioでの作業と考えれば十分きれいなウェイトが可能になっている。
このようにウェイトペイントに頼ることなくスキニングできるので、興味のある人は試してみてはいかが?


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